あなたという「ひかり」に寄せて

 

 はじめてあなたを見たとき、私とは正反対の人間だと思った。

 

 立ち居振る舞いに品があるあなたと、動きが大味な私。

 

 花が咲くように笑うあなたと、ひな壇芸人みたいに笑う私。

 

 いじられて輝くあなたと、どちらかというとツッコミ役の私。

 

 ひと言の破壊力が凄まじいあなたと、たくさんの言葉を並べて周囲に笑ってもらう私。

 

 前向きなあなたと、心配性でネガティブな私。

 

 素直で真っ直ぐなあなたと、天の邪鬼な私。

 

 人から愛されていることを疑わず、人を愛せるあなた。人から愛されていることに、どうしても猜疑心を抱いてしまう私。

 

 お料理上手なところも、お化け屋敷やジェットコースターが得意なところも、運動神経バツグンなところも、お酒が強いところも、漢字が苦手なところも、ぜんぶが私と正反対。共通点は、たぶん、負けず嫌いなところくらい。

 

 興味を持ったきっかけは「顔がタイプ」ということだったけど、知れば知るほど、パフォーマンス、と普段のギャップ、そして、自分にはない魂の美しさに、どんどん惹かれていった。

 

 この人の心の美しさが、少しでも、自分にあればなぁ。あなたを、勝手に道標にした。

 

 はじめて映画館で『滝沢歌舞伎』を観たときに、あなたを「光」だと思ったのです。光は、光そのものは、どこまでも真っ直ぐなだけ。だけど、かませるものを変えれば、色が変わる、質感が変わる、光の届く範囲が変わる。本質は真っ直ぐに、熱く光るだけなのに、光以外の要素によって、自由自在に姿かたちを変えてしまう。あなたという光源が、曲や演目、役、共演者という、ゼラ*1、レンズ、アイリスシャッター*2などなどにより、無数の表情を見せてくれる。表現者として、とてもかっこいい人だと思った。

 

 と、このように、私にとっての「光」であるあなたは、ときに星明かりで、ときに月明かりで、ときに太陽で。迷ったときの道標となるし、行く先を照らしてくれるし、セロトニンを分泌してくれる。

 

 まず、道標としての星明りのあなた。昔の人が星の明かりを頼りに航海していたように、あなたの魂の美しさという星明りが、私を導いてくれた。「仕事で『できない』と言わない」とあなたが言っていたから、私も仕事で「できない」と口にしないように努めた。はじめのうちは「こんな難しいこと、なんで引き受けちゃったんだろう」なんて後ろ向きになるときもあったけど、そんなときにあなたを思うと、背筋が伸びた。すごい。あなたを思うと、「大好きなあなたに恥じない人でありたい」と思う気持ちから、無理難題にも挑めた。あなたの存在が、あなたへの気持ちが、私をカッコいい人間に導いてくれる。

 

 あなたが「俺はここにいる」と、お月さまのように輝いていてくれるだけで、そこ目がけて努力ができた。美しいお月さまに恥じないよう、姿勢を伸ばすし、前以上に礼儀や言葉遣いを気にするようになったし、忍耐強さも身に付いた。人にやさしく、大らかに接することができた。短気な私が、すぐムキになって怒る回数が減った。空に浮かぶお月さまのように、あなたがどこかで見ていると思ったら、前向きに頑張れる。それこそ、あなたのように。あなたという存在が、救いであり、心を守ってくれている。

 

 そして、太陽のあなた。人は太陽の光を浴びることで「セロトニン」というホルモンが分泌される。「セロトニン」は、別名「幸せホルモン」とも呼ばれる脳内神経伝達物質のこと。あなたの放つ光が、すなわち、歌であり、踊りであり、言葉であり、笑顔であり、というあなたの光を浴びると、驚くほどに幸せになれた。どれだけ怒っていても、どん底に悲しくても、あなたが歌い踊る姿を見て、あなたの言葉に触れて、あなたの笑顔やキリッとキメた顔を見れば、気持ちが晴れやかになれた。

 

 あなたを思って毎日を過ごすたびに、どんどん好きになる。だけど驚くべきことに、昨日あれだけあなたを大好きだったのに、今日はそれ以上に大好きで、明日はもっと大好きになっている自分がいる。どれだけ人を魅了するんだろう、この人は。毎日「好き」をアップデートし続けることって、並大抵じゃない。だけど。あなたはいとも容易くやってのける。だから今、この文章を書いている瞬間が、これまであなたを応援してきたなかで一番あなたを大好きな瞬間だし、明日になれば今日以上にあなたを好きになっている私がいる。

 

 こんなにも、できないことが少ないあなた(本当は、できないことを、努力で「できること」に変えていっているあなた)なら、なんにだってなれたと思う。得意なスポーツやお料理を仕事にすることもできただろうし(実際、「仕事にする」と覚悟したら努力をする人だろうし)、大好きなお洋服に関わる仕事でも、それこそお芝居やモデル業に専念するという未来だって、なかったわけではないかもしれない。数ある未来のなかから、あなたが「アイドル」という職業を選んでくれたこと、どんな向かい風が吹いたって、道とも呼べないような道しか進む先がなくたって、壁が立ちふさがったって、ずっとずっと、歌い踊り続けてくれて、本当に、ほんとうにありがとう。

 

 ありえもしないことだけど、私とあなたが同級生だったり、あるいは先輩後輩だったりしたとして、つまりは「アイドルとファン」以外の関係性で出会っていたとしたら、私はあなたを好きになれなかったかもしれない。衝突してしまいそう。あなたの美しさを知る前に、「顔は好きだけど、この人と仲良くならなくても別にいいや」なんて、思ってしまいそう。だから、あなたが「アイドル」という存在で光り続けてくれて、その光を見ることができて、好きになれて、良かったな、幸せだな、と、心から思います。

 

 いろんな未来の可能性があったと思うけど、そして、他の未来のことなんて分かりもしないけど、私は、私の勝手な考えとしては、あなたはアイドルが天職なのでは、と思うわけです。それは、歌や踊りがとびきりに上手で、こんなに上手なのに満足することなく向上心を持っているところとか、愛らしくて面白すぎるキャラクターも理由だけど、一番は、愛されることを疑わない人だから。だって、ファンが自分のことを愛してくれてるって信じて疑わないから、「迎えに来たよ」とか「一緒に過ごそう」とか「幸せにしてやるよ」とか「愛し合おう」って、言えるんだと、思うから。この紹介RAPの言葉、意識してか無意識なのか知らないけど、全部、相手がいなくちゃ成り立たない言葉を選んでいて、ああ、やっぱりあなたは根っからの「アイドル」なんだな、って思い知らされた。

 

 毎月15日にあなたのブログを読んで胸焼けがするのも、あなたの言葉が、愛が、素直に突き刺さるから。「俺のことを好きな人」に向けて書いてる文章、そりゃ、「あなたのことが好きな人間」が読めば、一言一句にきゅんきゅんして、ときめいて、スマートフォン端末を抱き締めもするっつーの。

 

 あなたが愛されることを疑わずにいる姿を見て、私も、そうしよう、って、思えた。人から愛されていることを認めることが、私はどうもできなくて。だけど、自分とあなたに置き換えて考えたとき、私はこんなにあなたのことが大好きなのにその愛を疑われてしまったら、悲しくなるな、と思った。だから、私のことを「好き」って言ってくれる人の気持を疑わず、信じて受け止めていこう、と、考え方が大きく変わった。人格形成なんてとっくに終わってる年齢だけど、あなたという光が、この年齢でも情操教育を施してくれる。出会えてよかったな。好きになれてよかったな。あなたに出会えて、しかも好きになれた私って、超強運だな、と思います。イェーイ!

 

  Snow Man宮舘涼太くんへ。生まれてきてくれてありがとう。アイドルを選んでくれて、ずっと歌い踊り続けてくれて、出会ってくれて、ありがとう。あなたが私の「アイドル」です。大好きです。28歳のお誕生日、心からおめでとうございます。心身ともに健康で、笑顔あふれる、幸せな1年を過ごしてください。これからも、愛し合おうね。

*1:舞台照明の色を変えるカラーフィルターのことです

*2:舞台照明の照射範囲を変えたりすることができる道具です